貧乏令嬢のアンネローゼは、顔だけはいい婚約者――陰険性悪王子ベルゼに婚約破棄をされてしまった。王子の後ろで嘲笑うのは、小動物のようなピンク髪の令嬢。
盛大な夜会で、2人は意気揚々とアンネローゼの悪行を並び立てる。
だが、当の本人であるアンネローゼは俯きながら何も言わず、ほくそ笑んでいた。
当然である。
なぜなら、アンネローゼは
――この婚約破棄を、長年待ち望んでいたのだから!!!!
しかし、そんなアンネローゼの前にふと現れたのは、輝かんばかりの美貌をもつ見知らぬイケメン。しかも、あろうことか、そのイケメンはなぜかアンネローゼをかばい始めたのである。
――なんでそうなる??……私は婚約破棄をされて、被害者面して、田舎でゆるゆるお気楽スローワイフを過ごしたいだけなのに!!!
なぜか積み重なる勘違い。なぜか一向に実現しないスローライフ。アンネローゼは、自分を物凄い過大評価してくる好感度マックスのイケメン皇子にメンタル削られながらも、自らの理想(田舎でのんびり生活)のために努力するのであった――――